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資金繰り表とは?作り方・見方・記載項目をわかりやすく解説

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資金繰り表とは、一定期間の現金の収入と支出を整理し、手元資金が今後どのように増減するかを確認するための表です。

売上や利益が出ていても、売上代金の入金より仕入代金や経費の支払いが先に発生すれば、手元の現金が不足することがあります。資金繰り表を作成すると、「いつ」「どの程度」資金が不足する可能性があるかを事前に確認しやすくなります。

この記事では、資金繰り表の意味、キャッシュフロー計算書との違い、基本的な構成、作り方、見方まで解説します。

資金繰り表とは

資金繰り表とは、一定期間に発生する現金の収入と支出を分類・集計し、現金の増減や過不足を把握するための表です。J-Net21では、一定期間の現金収入と現金支出を分類・集計し、現金収支の動きや現金過不足の実態などを把握する表と説明しています。

一般的には、前月から繰り越した資金、売上などによる入金、仕入・人件費・経費などの支払い、借入や返済などの財務収支、翌月へ繰り越す資金を月単位などで整理します

資金繰り表には統一された法定フォーマットがあるわけではありません。J-Net21も決まったフォーマットはないと説明しており、日本政策金融公庫や東京信用保証協会はそれぞれ作成用の書式を公開しています。

重要なのは、形式そのものではなく、実際の入金・支払い予定を反映し、将来の手元資金を確認できる状態にすることです。

資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違い

資金繰り表とキャッシュフロー計算書は、どちらも現金の動きを確認する資料ですが、主な目的が異なります。資金繰り表は将来の資金の流れを見通すために用いるのに対し、キャッシュフロー計算書は一定期間における実績としての資金の流れを整理する資料です。

比較項目資金繰り表キャッシュフロー計算書
主な目的将来の資金不足を把握する一定期間の資金の流れを確認する
主に扱う情報将来の予定と実績過去の実績
主な用途資金管理・資金計画財務状況の把握
書式統一された法定書式は確認できない営業・投資・財務活動などに区分

J-Net21では、キャッシュフロー計算書について「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3区分で整理する考え方を解説しています。

資金繰り表を作る目的

将来の資金不足を早めに把握する

資金繰り表では、現在の預金残高だけではなく、今後予定されている入金と支払いを反映します。東京信用保証協会も、毎月の資金の動きを一覧にすることで当面の資金繰りが把握でき、資金調達のタイミングを事前に確認できると案内しています。

翌月以降の繰越資金が不足すると予測できれば、実際に支払期限を迎える前に対応を検討できます。

利益と現金の違いを把握する

会計上の利益と手元資金は必ずしも一致しません。売上を計上していても、売掛金として後日入金される場合、その時点では現金が増えていません。また、借入金の元本返済など、損益計算上の費用と現金支出の扱いが一致しない項目もあります。

そのため、損益だけでなく資金の入出金を別に管理する必要があります。

金融機関への資金相談に利用する

資金繰り表は、金融機関への資金相談に利用されることもあります。日本政策金融公庫は、資金繰り計画を策定するための「資金繰り表」「資金繰り表(簡易版)」「資金繰り表記入例」を公開しています。

資金不足が確認された場合には、必要額や必要な時期を整理してから資金調達方法を検討することが重要です。借入による調達を検討する場合は、法人向けビジネスローンおすすめ比較で融資形態や金利、融資額などを確認できます。

資金繰り表の主な項目

資金繰り表に統一されたフォーマットはありませんが、日本政策金融公庫の書式に準じたJ-Net21の解説では、大きく「前月繰越」「収入」「支出」「財務収支」「翌月繰越」の流れで構成されています。

項目主な内容
前月繰越前月から繰り越した現金・預金
収入現金売上、売掛金の回収など
支出仕入代金、人件費、その他の支払いなど
財務収支借入、借入金返済など
翌月繰越翌月へ繰り越す現金・預金

前月繰越

前月末時点で保有している現金・預金を記入します。J-Net21の解説では、前期・前月から繰り越された現金預金を記入する項目とされています。資金繰り表のスタート地点となる金額です。

収入

収入には、実際に現金・預金として入ってくる金額を記載します。現金売上、売掛金の回収、受取手形の入金、その他の入金などを、実際に資金が入る時期に合わせて整理します。

支出

支出には、実際に資金が出ていく予定を記載します。現金仕入、買掛金の支払い、支払手形の決済、人件費、その他の支払いなどを、実際の支払時期に合わせて管理します。

財務収支

財務収支では、通常の営業活動とは別に、借入や借入金返済などによる資金の増減を管理します。利益が出ていても返済によって手元資金が減少することがあるため、営業収支とは分けて確認します。

翌月繰越

収入、支出、財務収支を反映した後に残る資金が翌月繰越です。翌月繰越資金が不足する月が予測される場合は、その月までに支払い・回収条件や資金調達などを検討する必要があります。

資金繰り表の作り方

資金繰り表はExcelなどの表計算ソフトでも作成できます。J-Net21はExcelでの作成が可能と案内しており、東京信用保証協会も計算式が設定されたExcel形式の作成支援ツールを公開しています。

1.現在の現金・預金残高を確認する

まず、資金繰り表を作り始める時点の現金・預金残高を確認します。複数の銀行口座を事業で利用している場合は、資金管理の対象となる口座を整理したうえで残高を集計します。この金額が資金繰り表の前月繰越資金になります。

2.入金予定を月ごとに整理する

次に、今後入金される予定を整理します。売上が発生している場合でも、掛け取引であれば売上日と実際の入金日は異なります。資金繰り表では、会計上の売上計上時期ではなく、現金が入る予定時期を基準に記載します。

3.支払予定を月ごとに整理する

仕入代金、人件費、家賃、税金、借入金返済など、今後発生する支払いを整理します。毎月発生する支出だけではなく、特定の月にまとまって発生する支払いについても反映します。

4.借入・返済などの財務収支を反映する

借入による入金や借入金の返済などを資金繰り表に反映します。日本政策金融公庫の記入例では、借入予定金額と支払予定金額を月次単位で記入し、新規借入予定分の支払金額も反映する手順が示されています。

5.翌月以降の残高を確認する

すべての入出金予定を反映したら、月末時点で残る資金を確認します。現在残高だけでなく数か月先まで確認し、資金が不足する月がないか継続的に見直します。予定が変わった場合は資金繰り表も更新します。

資金繰り表の見方

資金繰り表では、単に月末残高だけを見るのではなく、資金が増減している原因を確認します。

営業による収入と支出のバランスを見る

まず確認するのは、本業による入金と支払いです。売上代金の回収額より、仕入代金、人件費、経費などの支払いが継続的に大きければ、手元資金は減少します。一時的な変動なのか、継続して支出超過になっているのかを月ごとに確認します。

売上と入金時期のずれを見る

売上が伸びても、代金回収までの期間が長くなれば、手元資金が増えないことがあります。J-Net21も、売上の発生と資金回収の時期が一致しないことを資金繰り上の重要な論点として説明しています。

売掛金の回収前に資金が必要な場合は、ファクタリング会社おすすめ比較で売掛債権を利用する資金調達方法を確認できます。

支払時期を確認する

仕入代金、外注費、税金などの支払いが特定の月に集中すると、一時的に資金残高が大きく減少することがあります。入金予定と支払予定を同じ時間軸で確認し、資金不足が発生する時期を把握します。

請求書の支払時期を調整する方法を検討する場合は、請求書カード払いおすすめ比較で手数料や振込速度などを確認できます。

借入金返済を含めて確認する

借入によって一時的に資金が増えても、返済によって将来の資金は減少します。そのため、借入額だけではなく毎月の返済額まで資金繰り表へ反映し、返済後も必要な資金を維持できるか確認します。

資金繰りが不足する場合に確認すること

資金繰り表で将来の資金不足が確認された場合は、まず不足する時期と金額、その原因を整理します。売掛金の回収時期が遅い場合は入金条件、仕入や外注費の支払いが先行している場合は支払条件、借入金返済が大きい場合は返済負担などを確認します。

資金調達を検討する場合も、「資金が足りない」という状態だけで判断するのではなく、必要額と必要時期を資金繰り表で整理してから選択します。借入以外の選択肢も含めて確認する場合は、返済不要の資金調達方法で補助金・助成金などを含む資金調達方法を確認できます。

どの方法を利用する場合でも、調達した金額だけでなく、返済や手数料、将来の支払いまで資金繰り表に反映して管理することが重要です。

資金繰り表のテンプレートはどこで入手できる?

資金繰り表を一から作成する必要はありません。日本政策金融公庫は「資金繰り表」「資金繰り表(簡易版)」「資金繰り表記入例」を公開しています。

東京信用保証協会も、計算式が設定されたExcel形式の資金繰り表を公開しています。

公開されている書式をそのまま使う必要はなく、自社の主要な入金・支払項目を把握できるように調整することが重要です。

資金繰り表に関するよくある質問

資金繰り表は毎月作ったほうがよいですか?

資金繰り表は将来の入出金予定を継続して確認するための資料です。実際の入出金予定は変化するため、一度作成して終わりにするのではなく、実績を反映して定期的に更新することが重要です。

資金繰り表はExcelで作れますか?

作成できます。J-Net21はExcelでの作成が可能と説明しており、東京信用保証協会もExcel形式の作成支援ツールを公開しています。

資金繰り表に決まったフォーマットはありますか?

J-Net21では、資金繰り表に決まったフォーマットはないと説明されています。日本政策金融公庫や信用保証協会などが公開している書式を参考にしながら、自社の入出金を把握できる形で作成できます。

資金繰り表と損益計算書は同じですか?

同じではありません。損益計算では収益と費用から利益を確認しますが、資金繰り表では実際の現金の入出金時期を確認します。そのため、利益が出ていても手元資金が不足する場合があります。

資金繰り表の作成は義務ですか?

今回確認した日本政策金融公庫、J-Net21、東京信用保証協会の公開情報では、すべての事業者に資金繰り表の作成を義務付けるとの記載は確認できませんでした。一方、金融機関への相談や自社の資金管理に利用される資料として、各機関が書式や作成方法を公開しています。

まとめ

資金繰り表とは、一定期間の現金の収入と支出を整理し、将来の資金残高を確認するための表です。利益が出ていても、売上代金の入金と仕入代金・経費・借入金返済などの支払い時期がずれれば、手元資金が不足することがあります。

資金繰り表では、現在の手元資金、今後の入金予定、今後の支払予定、借入・返済による資金増減、将来の資金不足を同じ時間軸で確認できます。日本政策金融公庫や東京信用保証協会は作成用書式を公開しているため、必要に応じて活用できます。

この記事の著者

OREND FINANCE編集部

OREND FINANCE編集部

「法人・個人事業主のお金」に関する情報を専門に扱う金融情報メディアです。中小企業支援策・金融機関の公式情報・最新の制度改正など、公的ソースに基づいた正確なリサーチをもとに、読者の判断に役立つ信頼性の高い記事を発信しています。実務で役立つ視点と一次情報の丁寧な整理を通じて、ビジネスの意思決定を支援します。
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