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創業融資とは?日本政策金融公庫の制度・金利・審査・必要書類を解説

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起業・開業時には、店舗取得費や設備費、仕入れ、人件費などさまざまな資金が必要です。しかし、創業前や創業直後は事業実績が少ないため、資金調達に課題を感じることもあります。

こうした創業期の資金調達手段の一つが「創業融資」です。

日本政策金融公庫では、2026年8月現在「新規開業・スタートアップ支援資金」をはじめとする創業融資を提供しています。新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円で、設備資金・運転資金の双方に利用できます。

本記事では、創業融資の仕組みや日本政策金融公庫の制度、金利、自己資金、審査、必要書類、申し込みの流れについて、最新の公式情報をもとに解説します。

創業融資とは

創業融資とは、これから事業を始める人や、創業して間もない事業者が、開業・事業運営に必要な資金を借り入れるために利用する融資です。

日本政策金融公庫は、営業実績が乏しい創業期は資金調達が難しい場合が少なくないとして、新規開業・スタートアップ支援資金などによる支援を行っています。

創業時の資金調達先は日本政策金融公庫だけではありません。金融機関と信用保証協会を利用する方法などもあり、信用保証協会では創業関連保証やスタートアップ創出促進保証制度などが用意されています。

創業時に利用できる主な融資制度

日本政策金融公庫の創業融資

代表的なのが、日本政策金融公庫の国民生活事業による創業融資です。

現在の主要制度である「新規開業・スタートアップ支援資金」は、これから事業を始める人だけでなく、事業開始後おおむね7年以内の人も対象です。

また、新たに事業を始める人または事業開始後に税務申告を2期終えていない人について、日本政策金融公庫は原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できると案内しています。

信用保証協会を利用した創業融資

信用保証協会にも、創業者向けの保証制度があります。

全国信用保証協会連合会によると、「創業関連保証」「再挑戦支援保証」「スタートアップ創出促進保証制度」があり、これらを併用した場合を含めた保証限度額は合計3,500万円です。

地方自治体独自の制度が用意されている場合もあるため、創業予定地域の自治体や信用保証協会の制度も確認するとよいでしょう。

日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の条件

2026年8月時点における主な条件は以下のとおりです。

項目内容
対象新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人
資金使途設備資金・運転資金
融資限度額7,200万円
設備資金の返済期間20年以内
運転資金の返済期間10年以内
据置期間いずれも5年以内

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

ただし、融資限度額7,200万円まで必ず借りられるわけではありません。

日本政策金融公庫は、適正な事業計画を策定し、その計画を遂行する能力が十分にあると認められる人を対象としており、審査結果によって希望に沿えない場合があることも明記しています。

創業融資の金利はいくら?

日本政策金融公庫の金利は一律ではありません。利用する融資制度、資金使途、返済期間、担保の有無などによって適用利率が異なります。

2026年8月3日時点では、国民生活事業で税務申告を2期終えていない人が無担保で融資を利用する場合、基準利率は年3.55~5.25%です。

一方、創業期の人については利率引下げ制度があります。

新たに事業を始める人、または税務申告を2期終えていない人について、日本政策金融公庫は原則として適用利率を0.65%引き下げ、雇用の拡大を図る場合は0.9%引き下げるとしています。

ただし、日本政策金融公庫の利率は金融情勢によって変更されます。実際に申し込む際は、その時点の公式金利を確認してください。

創業融資では自己資金はいくら必要?

「創業融資を受けるには自己資金が○割必要」といった情報を見かけることがありますが、現在の新規開業・スタートアップ支援資金の公式制度ページでは、すべての申込者に対する一律の自己資金割合は利用条件として示されていません。

一方で、日本政策金融公庫は創業計画書によって事業計画を確認します。創業計画書には、必要な資金や調達方法、事業の収支計画などを記載します。

そのため、制度上の最低自己資金だけを見るのではなく、必要資金とその調達方法を合理的に説明できる創業計画を作成することが重要です。

なお、信用保証協会の「スタートアップ創出促進保証制度」など、日本政策金融公庫とは別の制度では自己資金要件が設定されている場合があります。利用する制度ごとに条件を確認する必要があります。

創業融資の審査では何を確認される?

日本政策金融公庫では、申し込み後に資金の使い道や事業計画などについて確認を行います。

面談では、事業計画に関連する資料や資産・負債が分かる書類などの提出を求められる場合があります。また、公庫は事業計画をさまざまな角度から検討したうえで融資を判断するとしています。

そのため、創業計画書では少なくとも、

  • どのような事業を行うのか
  • どの程度の資金が必要なのか
  • 資金を何に使用するのか
  • どのように売上・利益を生み出すのか
  • どのように返済するのか

といった資金計画・収支計画を整理しておく必要があります。

なお、日本政策金融公庫は公式な「審査通過率」を現行制度の利用条件として公表していません。「審査が甘い」「事業計画書をこのように書けば必ず通る」と判断することはできません。

創業融資に必要な書類

日本政策金融公庫へ申し込む際の必要書類は、個人・法人や事業開始時期、資金使途などによって異なります。

創業前または創業して間もない場合は、主に創業計画書の準備が必要です。公庫では公式の創業計画書と書式を公開しています。

そのほか、状況に応じて以下のような書類が必要です。

  • 確定申告書・決算書
  • 試算表
  • 設備資金を申し込む場合の見積書
  • 送金先口座を確認できる書類
  • 本人確認書類
  • 法人の場合は履歴事項全部証明書
  • 許認可が必要な事業では許認可証など

税務申告がまだ完了していない創業直後の事業者については、確定申告書・決算書の提出は不要です。必要書類は申込者の状況によって変わるため、申込画面や日本政策金融公庫の最新案内を確認してください。

創業融資を受けるまでの流れ

日本政策金融公庫の国民生活事業では、一般的に以下の流れで手続きを進めます。

1.創業計画を作成する

まず、事業内容や資金計画、収支計画などを整理し、創業計画書を作成します。

日本政策金融公庫では公式の創業計画書や作成方法を公開しています。

2.融資を申し込む

国民生活事業ではインターネットから申し込みが可能で、申込受付は24時間365日行われています。

ただし、これは申込受付が24時間可能という意味であり、即日で融資されることを意味するものではありません。

3.事業計画などについて確認を受ける

申し込み後、資金使途や事業計画などについて確認が行われます。

事業計画関連資料や資産・負債を確認できる資料などを準備し、公庫が融資可否を判断します。オンラインでの面談にも対応しています。

4.契約・融資

融資が決定すると契約手続きへ進みます。

契約手続き完了後、融資金が指定した金融機関口座へ送金されます。なお、審査結果によって希望どおりの融資を受けられない場合があります。

創業融資を利用する際の注意点

融資限度額と実際の借入額は異なる

新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円ですが、限度額まで融資されることを保証するものではありません。審査によって融資可否や条件が決まります。

金利は最新情報を確認する

公庫の金利は金融情勢などによって変動します。記事や比較サイトに掲載された過去の金利ではなく、申込時点の日本政策金融公庫公式情報を確認してください。

返済を前提とした資金計画を立てる

創業融資は借入であるため、融資後は返済が発生します。新規開業・スタートアップ支援資金では設備資金20年以内、運転資金10年以内の返済期間が設定されています。

借りられる上限額ではなく、事業の収益から返済できる金額を基準に資金計画を考えることが重要です。

創業融資に関するよくある質問

新創業融資制度は現在も利用できますか?

2026年8月現在、日本政策金融公庫の創業者向け公式ページでは「新規開業・スタートアップ支援資金」をはじめとする創業融資が案内されています。2025年3月には、それまでの「新規開業資金」が「新規開業・スタートアップ支援資金」へ名称変更されました。

古い記事に掲載されている「新創業融資制度」の条件を、そのまま現在の制度条件として判断しないよう注意してください。

個人事業主でも創業融資を利用できますか?

利用できます。日本政策金融公庫の国民生活事業では、小規模事業者・個人事業主向けの融資を取り扱っており、新規開業・スタートアップ支援資金も、新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人が対象です。

法人設立前でも申し込めますか?

新規開業・スタートアップ支援資金は「新たに事業を始める方」も対象としているため、創業前から利用を検討できます。申込前の創業相談にも対応しています。

自己資金なしでも申し込めますか?

現在の新規開業・スタートアップ支援資金の公式制度ページでは、すべての申込者を対象とした一律の自己資金割合は利用条件として記載されていません。

ただし、事業計画や資金調達計画は審査の対象となり、申し込めば必ず融資を受けられるわけではありません。

無担保・無保証人で創業融資を受けられますか?

新たに事業を始める人または事業開始後に税務申告を2期終えていない人について、日本政策金融公庫は原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できると案内しています。

創業融資は最新の制度条件を確認して申し込もう

創業融資は、開業前後に必要となる設備資金や運転資金を調達する手段の一つです。

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人が対象で、融資限度額は7,200万円です。創業期には無担保・無保証人や利率引下げの措置も設けられています。

ただし、融資額や適用金利、審査結果は個別に異なります。「最大7,200万円借りられる」「自己資金がなくても必ず借りられる」と判断することはできません。

創業計画と必要資金を整理し、日本政策金融公庫や信用保証協会などの最新情報を確認したうえで、自身の事業計画に合った資金調達方法を検討しましょう。

この記事の著者

OREND FINANCE編集部

OREND FINANCE編集部

「法人・個人事業主のお金」に関する情報を専門に扱う金融情報メディアです。中小企業支援策・金融機関の公式情報・最新の制度改正など、公的ソースに基づいた正確なリサーチをもとに、読者の判断に役立つ信頼性の高い記事を発信しています。実務で役立つ視点と一次情報の丁寧な整理を通じて、ビジネスの意思決定を支援します。
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